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秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ
春過ぎて 夏来にけらし 白妙の
あしひきの 山鳥の尾の しだり尾の
田子の浦に うち出でて見れば 白妙の
奥山に 紅葉ふみわけ 鳴く鹿の
かささぎの わたせる橋に おく霜の
天の原 ふりさけ見れば 春日なる
わが庵は 都のたつみ しかぞすむ
花の色は うつりにけりな いたづらに
これやこの 行くも帰るも 別れては
わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと
天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ
筑波嶺の 峰より落つる みなの川
みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆえに
君がため 春の野に出でて 若菜つむ
立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる
ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川
住の江の 岸による波 よるさへや
難波潟 みじかき蘆の ふしの間も
わびぬれば 今はた同じ 難波なる
今来むと いひしばかりに 長月の
吹くからに 秋の草木の しをるれば
月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ
このたびは 幣もとりあへず 手向山
名にし負はば 逢坂山の さねかづら
小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば
みかの原 わきて流るる いづみ川
山里は 冬ぞさびしさ まさりける
心あてに 折らばや折らむ 初霜の
有明の つれなく見えし 別れより
朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに
山川に 風のかけたる しがらみは
久方の 光のどけき 春の日に
誰をかも 知る人にせむ 高砂の
人はいさ 心も知らず ふるさとは
夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを
白露に 風の吹きしく 秋の野は
忘らるる 身をば思はず 誓ひてし
浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど
しのぶれど 色に出でにけり わが恋は
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり
契りきな かたみに袖を しぼりつつ
逢ひみての 後の心に くらぶれば
逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに
あはれとも いふべき人は 思ほえで
由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え
八重むぐら しげれる宿の さびしきに
風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ
みかきもり 衛士のたく火の 夜はもえ
君がため 惜しからざりし 命さへ
かくとだに えやはいぶきの さしも草
明けぬれば 暮るるものとは 知りながら
なげきつつ ひとりぬる夜の 明くる間は
忘れじの 行末までは かたければ
滝の音は 絶えて久しく なりぬれど
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に
めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に
有馬山 猪名の笹原 風吹けば
やすらはで 寝なましものを 小夜更けて
大江山 いく野の道の 遠ければ
いにしへの 奈良の都の 八重桜
夜をこめて 鳥の空音は はかるとも
今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを
朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに
恨みわび ほさぬ袖だに あるものを
もろともに あはれと思へ 山桜
春の夜の 夢ばかりなる 手枕に
心にも あらでうき世に ながらへば
嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は
さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば
夕されば 門田の稲葉 おとづれて
音にきく 高師の浜の あだ波は
高砂の 尾上の桜 咲きにけり
うかりける 人をはつせの 山おろしよ
契りおきし させもが露を 命にて
わたの原 漕ぎ出でて見れば 久方の
瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の
淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に
秋風に たなびく雲の 絶えまより
長からむ 心も知らず 黒髪の
ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば
思ひわび さても命は あるものを
世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る
ながらへば またこの頃や しのばれむ
夜もすがら もの思ふころは 明けやらで
なげきとて 月やはものを 思はする
村雨の 露もまだひぬ まきの葉に
難波江の 葦のかりねの ひとよゆえ
玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば
見せばやな 雄島のあまの 袖だにも
きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに
わが袖は 汐干に見えぬ 沖の石の
世の中は 常にもがもな 渚こぐ
み吉野の 山の秋風 小夜更けて
おほけなく 憂き世の民に おほふかな
花さそふ 嵐の庭の 雪ならで
来ぬ人を まつ帆の浦の 夕なぎに
風そよぐ ならの小川の 夕暮れは
人も惜し 人も恨めし あぢきなく
ももしきや 古き軒場の しのぶにも
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天智天皇
持統天皇
柿本人麿
山部赤人
猿丸大夫
中納言家持
阿倍仲麿
喜撰法師
小野小町
蝉丸
参議篁
僧正遍昭
陽成院
河原左大臣
光孝天皇
中納言行平
在原業平朝臣
藤原敏行朝臣
伊勢
元良親王
素性法師
文屋康秀
大江千里
菅家
三条右大臣
貞信公
中納言兼輔
源宗于朝臣
凡河内躬恒
壬生忠岑
坂上是則
春道列樹
紀友則
藤原興風
紀貫之
清原深養父
文屋朝康
右近
参議等
平兼盛
壬生忠見
清原元輔
権中納言敦忠
中納言朝忠
謙徳公
曾禰好忠
恵慶法師
源重之
大中臣能宣朝臣
藤原義孝
藤原実方朝臣
藤原道信朝臣
右大将道綱母
儀同三司母
大納言公任
和泉式部
紫式部
大弐三位
赤染衛門
小式部内侍
伊勢大輔
清少納言
左京大夫道雅
権中納言定頼
相模
前大僧正行尊
周防内侍
三条院
能因法師
良暹法師
大納言経信
祐子内親王家紀伊
権中納言匡房
源俊頼朝臣
藤原基俊
法性寺入道前関白太政大臣
崇徳院
源兼昌
左京大夫顕輔
待賢門院堀河
後徳大寺左大臣
道因法師
皇太后宮大夫俊成
藤原清輔朝臣
俊恵法師
西行法師
寂蓮法師
皇嘉門院別当
式子内親王
殷富門院大輔
後京極摂政前太政大臣
二条院讃岐
鎌倉右大臣
参議雅経
前大僧正慈円
入道前太政大臣
権中納言定家
従二位家隆
後鳥羽院
順徳院
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