小倉百人一首(かるた)の文法、歌人、解説、歴史
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和歌No. 86 小倉百人一首

上の句:
 下の句:
なげけとて 月やはものを 思はする
 かこち顔なる わが涙かな
上の句読み:
 下の句読み:
なげけとて つきやはものを おもわする
 かこちがおなる わがなみだかな
作者/歌人名: 西行法師(さいぎょうほうし)
別名: 佐藤義清(さとうのりきよ)
決まり字: 上の句: なげけ
下の句: かこ

和歌の意味
なげけといって、月がわたしにもの思いをさせるのであろうか。いやそうではない。恋人のためにないているのに、いかにも月のせいにするようなわたしの涙だなあ。

出展・時代背景・文法事項など
出展は『千載集』恋5・929。「やは」は、係助詞「や」「は」の複合形で反語の意。「かこち」とはかこつける、そのせいにするの意。恋の涙であるにもかかわらず、それを「かこち顔」と理知的に客観視してみせる作者の態度に屈折した恋の嘆きを詠み取ることができる。


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